ロシアが9日に「開戦」宣言か、大規模動員が可能…「戦果」上げるまで終戦は困難
2022/05/01 21:45
【リビウ(ウクライナ西部)=上地洋実】ウクライナ国防省の報道官は4月30日、ウクライナに侵攻しているロシア軍が兵力増強のため、大規模動員に乗り出す可能性を明らかにした。英国のベン・ウォレス国防相も、5月9日の旧ソ連による対独戦勝記念日に、プーチン露大統領がウクライナへの「開戦」を宣言する可能性に言及しており、侵攻の長期化が現実味を帯びてきた。

ウクライナ国営通信によると、国防省報道官は、露軍が東部ドネツク、ルハンスク(ルガンスク)両州(ドンバス地方)の制圧作戦で、「短期間に成果を得られなければ、大規模動員の可能性を排除できない」と述べた。露軍が長期戦に向けた準備を進めている兆候もあるという。

ウォレス氏は4月28日の英ラジオ番組で、ロシアがウクライナ侵攻を「特殊軍事作戦」と称してきたことに触れた上で、プーチン氏が戦勝記念日に、ウクライナへの「開戦」を表明するシナリオを挙げた。正式な戦争に切り替えれば、予備役の大量動員が可能になる一方、明確な「戦果」を上げるまで終戦が困難になる。

露軍は攻撃対象をドンバス地方以外にも拡大している。4月30日には南部オデーサ(オデッサ)の空港などをミサイルで攻撃した。露国防省は、「米欧からの武器が届く軍用空港の滑走路を破壊した」と発表した。

ウクライナ国防省の情報機関は5月1日、ロシア軍がオデーサに隣接するモルドバで「挑発行為を続けている」と指摘した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/beaff9c26c43b90a4283af114559d003ea330121