https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00160/101400147/

10代がニュースを知る方法ランキング、専門サイトを上回ったネットサービスとは

「若者の新聞離れ」と言われて久しい。では10代の若者たちはどんなネットサービスを使ってニュースや報道を見ているのか。

新聞離れの若者たちはどんなネットサービスでニュースを見ているのか
 これを明らかにした調査がある。MMD研究所がテスティーと共同で実施した「2019年6月 ニュースに関する年代別意識調査」だ。全国の18歳~69歳の男女1533人を対象に、日本や世界のニュースを知る方法などを聞いた。

 「日本や世界のニュースを知る方法」という設問については、「新聞」「テレビのニュース番組」「家族や友人から聞く」という従来の方法に加え、「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」「ウェブのニュースサイト(以下ニュースサイト)」「ウェブのまとめサイト」「アプリのニュース配信」「動画アプリのニュース配信」というネットサービスを選択肢としている。

 10代(199人)の1位は「テレビのニュース番組(66.3%)」だった。昨今「新聞離れ」と共に「テレビ離れ」も言われているが、10代でもほぼ3人に2人はテレビのニュース番組を見ている。なお従来方法の残りは「新聞」が10.1%、「家族や友人から聞く」は28.6%だった。

 ネットサービスの順位はどうか。

 ネットサービスの中でのトップをニュースの専門サイトである「ニュースサイト」と予想した人が多いのではないだろうか。30代、40代、50代、60代では「ニュースサイト」がネットサービスの中でトップであり、いずれの年代でも50%前後に達する。大人世代はインターネットで報道を見るならニュースサイトというイメージがあるだろう。

 しかし10代は「SNS」が「ニュースサイト」を上回った。選択率は過半の51.8%で、従来の方法を含めても「テレビのニュース番組」(66.3%)に迫る2位だ。ニュースサイトは同32.7%で3位である
10代はSNSを、友達とのコミュニケーションだけでなく、ニュースや報道を知る情報源としても使っている。その具体的な方法を、10代への取材経験を基に分析してみる。

Twitterに流れてくる見出しで動向をざっくり知る
 SNSといっても多数あるが、10代で最も利用率が高いものの1つはTwitterだ。Twitterはニュースメディアとしての側面もある。米アップル(Apple)が運営するスマホアプリストア「App Store」は、Twitterを「ニュース」カテゴリーに分類している。

 Twitterでニュースや報道を知るきっかけとしては(1)友人がリツイートした投稿を見る、(2)自らフォローしている芸能人や企業などの公式アカウントの投稿を見る、(3)「トレンド」機能で今話題の記事や投稿、キーワードを見る――などがある。
文字数の上限が140字のTwitterで表示されるのは基本的に見出しだけ。詳細を知るには、投稿文のリンク先となっているニュースサイトなどの記事を読む。

 ただTwitterで見出しを見た後、ニュースの本文まで読んでいる人は多くなさそうだ。MMD研究所の「2019年6月 ニュースに関する年代別意識調査」によると、Webやアプリのニュースの読み方で「タイトルも中身の文章もしっかり読んでいる」と回答した10代は4割に満たない。これは10代から60代まで年代を問わず同様の結果だったが、Twitterによってニュースをざっくりと把握している様子がうかがえる。
ニュース媒体のブランドになっているLINE NEWS
 10代の間で利用率の高いLINEも、ニュースメディアとして活用されている。ただ、ニュースを知る方法がTwitterとは大きく違う。

 LINEは「LINE NEWS」というサービスを提供しており、LINEアプリの下にある「ニュース」タブから閲覧できる。若者たちの多くはこれを利用している。最近はトークリストの上部に「おすすめ記事」が表示されるようにもなった。ニュースを読むと意識しないままLINE NEWSを閲覧している若者たちも多そうだ。
LINE NEWSはニュース配信プラットフォームで、新聞やラジオ、テレビ、雑誌、Webメディアなど約200媒体がニュースを提供している。LINEアプリだけでなく「LINE NEWS」アプリでも読めるが、中学生、高校生、大学生に話を聞いた範囲ではLINEアプリで閲覧している人が多いようだ。

 LINEがWeb上に掲載している2019年10月~12月期の媒体資料によると、LINE NEWSのMAU(月間アクティブユーザー数)は約6500万人とかなり高い数値だ。LINEのMAUは8100万人なので、LINEユーザーの過半数は何かしらの形でLINE NEWSの記事を閲覧していることになる。