「日銀の保有するETFを国民に配る。それが“新しい資本主義”ではないか」竹中平蔵氏&橋下氏が経済活性化の大胆提言

4月30日のABEMA『NewsBAR橋下』に出演した竹中平蔵氏と橋下徹氏が、日本経済の活性化、そして岸田総理が掲げる「新しい資本主義」について語り合った。

■「金融教育を行いながら、ETFを配ってもいいと思う」

橋下:企業が配当を出そうとすると、みんな“金持ち優遇だ”“従業員の給料に回せ”と言う。でも、配当を出さなかったら誰が投資をするのか。自社株買いについても、企業が市場に返したお金が新しい産業に回っていくことになる。つまりは株式市場を活性化するために絶対に必要なことだ。それがどうしても世間の批判に負けちゃって、制限の方向に行く。一部の株主が利益を得るからそういう批判が出るとすれば、幅広くみんなが株を持つような世の中になれば、株式配当も自社株買いもみんな応援すると思う。

竹中:私たちの年金基金の4分の1は株式に投資されているが、安倍内閣になってから株価が上がって配当が増えたことで、年金の資金も増えている。だから株=金持ち優遇というのは全く違うと思う。それから日銀がETFをたくさん持っているが、国が10万円給付をやる場合、私は日銀が持っているETFを買い取って国民に渡せばいいと思っている。そうすると企業に対するガバナンスも効くし、換金したい人は換金すればいい。

橋下氏:大賛成だ。困っている人には現金給付もありだが、ストックのような形で国民に渡せば、みんなが経済のことを考えるようになるし、株価が上がり、配当が出れば喜ぶし。問題なのは、ソ連崩壊時に当時のエリツィン大統領が国営企業の株のようなクーポンを国民に配ったときのようなことが起こること。大富豪、いわゆるオリガルヒに“ウォッカと交換してやる”と言われ、みんなが余り深く考えずにクーポンを渡しちゃった。その意味では、日本も本当に金融教育をきちんと行いながら、ETFを配ってもいいと思う。そういうことが“新しい資本主義”ではないか。

竹中:そうだ。そういう議論は国会議員も経済財政諮問会議もやっていない。そもそも普通の国の中央銀行はETFを持たず、国債を買う。そして私がやらないといけないと思っているのが、国税庁に払っている税金、年金機構に払っている保険料を一本化することだ。アメリカやイギリスでは歳入庁という組織があるし、日本もデジタル庁ができたんだから、デジタル歳入庁を作れば、お金のある人には年金を出さず、本当に必要な人に回す、ということもできるようになる。あるいは“税金ばっかり取られて何ももらっていない”という人に対して、“いや、そうではないですよね”と説明して、不安を鎮めることにもつながるだろう。
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