安倍晋三元首相、バイデン氏のアプローチ「ロシアに足元見られたかも」

2022/5/7 08:30(最終更新 5/7 11:32)
自民党の安倍晋三元首相は6日夜のBSフジの報道番組で、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、バイデン米大統領がロシアが軍事侵攻しても米軍を派遣する考えはないと語ったことについて「(バイデン氏の)アプローチ自体がプーチン大統領にやや足元を見られたかもしれない」と語った。

安倍氏は「ロシアがやっていることが正当化されるわけでは全くない」としながら、「ドイツなどの反対により、ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)に加盟できない。この段階でウクライナが中立の道を選ぶことで(ロシアの)侵攻を止めることができなかったのかと考える人たちも多い」と指摘。「(2015年のロシア、ウクライナなどによる)ミンスク合意にある(ウクライナ)東部2州の『高度な自治』を米側が実行させるべく、最大限努力をするということでコミット(関与)ができなかったか」とも語った。

 安倍氏は首相時代、27回プーチン氏と首脳会談した。安倍氏は「プーチン氏は理想を追い求めるタイプではなく、現実主義だから理想を語っても動かない」と指摘。自身が直接プーチン氏に働きかける考えがあるかと尋ねられると「プーチン氏が説得によって全軍を引き返すことは100%ない。マンデート(権限)がNATOから与えられていない限り交渉はできない。米国からマンデートが与えられれば説得の可能性は少し出てくるだろうが、現在はなかなか……」と述べるにとどめた。【加藤明子】

https://news.yahoo.co.jp/articles/10d61090d6bbeb11e66646194f981b53bcc7a789