ウクライナ農家、ロシア軍が大量の穀物を略奪と証言 飢餓の歴史再来の懸念

(CNN) ロシア軍がウクライナの占領地で農家から大量の農業機械や穀物を略奪していると、複数の関係者がCNNに語った。食糧貯蔵庫も砲撃の標的にされているという。
特にウクライナ南部のヘルソンやザポリージャなどの穀倉地帯では、ロシア軍が統制を強め、略奪を加速させていると関係者は訴える。そうした地域では種まきの中断や中止を余儀なくされた農家も多く、世界有数の穀物生産国ウクライナで、今年の収穫が脅かされる恐れもある。
農業専門家がCNNに語ったところによると、ロシア軍の侵攻が始まる前日の時点で、600万トンの小麦と1500万トンのトウモロコシがウクライナから輸出できる状態にあり、その大半が南部で保管されていた。

占領軍にとって穀物は大きな価値がある。小麦は今年に入って急激に値上がりし、世界市場で1トン当たり約400ドルで取引されている。出所をたどるのは難しく、輸送は簡単にできる。
農業専門家によると、中東諸国はロシアから進んで小麦を輸入しており、20%の値引きも受けている。本当はウクライナ産の小麦なのかどうかは気にかけないという。

略奪されなかった穀物倉庫はほとんどが破壊された。4月14日に穀物貯蔵施設が破壊されたという男性はCNNの取材に対し、破壊された貯蔵庫は2年前に建てたばかりで、約1万7000トンの小麦と約8500トンのヒマワリの種が保管されていたと語った。
この一帯にほかの建物はなく、貯蔵施設が意図的に狙われたのは間違いないと男性は証言。同地ではほかにも貯蔵施設少なくとも2棟が爆撃されたと話している。CNNは、ドニプロ地区で別の穀物貯蔵庫が爆撃される映像を入手した。

https://www.cnn.co.jp/world/35187137-2.html