東京都内の川でボラ約1000匹が大量死する出来事があった。同じ頃、大阪市内の川では約7500匹のボラが大量死した。ともに市街地を流れる川。群泳するボラが集団で死ぬのはまれではないようだが、約400キロ離れた場所で同時期に起きた理由はあるのか。地震の前触れの「宏観こうかん異常現象」ではないかとの言説も飛び出した。果たしてどうなのか。(特別報道部・北川成史)

東京都大田区のJR蒲田駅のそばを流れ、羽田空港近くの東京湾に注ぐ呑川。大量死の現場を見ようと、5月上旬、蒲田駅から川沿いの道を歩いた。
 コンクリートの護岸が切り立ち、河原はない。黒みがかった緑色の水がよどみ、底まで見通しづらい。場所によってはヘドロっぽい臭いが漂った。
 東京都によると、3月6日、この呑川で魚が死んでいると区に通報があった。区職員は翌7日、蒲田駅から約1キロ北の双流橋から大平橋付近で、体長12、3センチのボラを中心に約1000匹が死んでいるのを確認した。
 水質テストではシアンや六価クロムなどの毒物は検出されなかった。ただ、水中(上層)の溶存酸素量が1リットル当たり2.8ミリグラムで、2020年度の平均値6.4ミリグラムの半分以下だった。

つづき 地震の前兆説に根拠なし
https://www.google.com/amp/s/www.tokyo-np.co.jp/amp/article/176053