>検討会設立から1年余りが経った2004年12月、インドネシア・スマトラ島西方沖で巨大地震が発生する。マグニチュードは9.1。発生した巨大津波はインド洋沿岸諸国に到達し、死者・行方不明者は22万人以上にのぼった。
>インドネシアなどでは防災設備が少なく、情報伝達の体制も整っていなかったことで被害が拡大したとも言われている。

>平岡は、この巨大津波によって起きた、ある原子力発電所のトラブルに注目した。震源地から遠く離れたインドのマドラス原発だ。
>巨大地震が引き起こした津波は、マドラス原発にも押し寄せた。当時、運転中だった2号機では、海水をくみ取るためのトンネルを通じて海水がポンプ室に入り込み、原子炉冷却に必要なポンプは水没するなどして運転不能となった。