A 失業や低年金、心身の病気、離婚……。自分の努力だけでは、日々の暮らしに必要なお金を用意しきれないことだってあるよね。 生活苦にある人を助け、人生を立て直せるように国が用意した仕組みだよ。
Q 国は何をしてくれるの?
A 例えば生活保護費というお金をくれる。国民一人ひとりには、 「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」があると憲法25条で保障されている。 働いて得たお金や年金、手当の金額を合計しても、その最低限の生活水準に届かないと差額分を保護費として受けとれるんだ。
Q 困ったら、とにかく申請すればいいんだね。
A 残念なことに、国民の権利であることが浸透していると言えないようなことも起きている。 地域によっては福祉事務所の窓口で、申請を妨害するような「水際作戦」と呼ばれる不適切な対応もみられる。 また、申請した人の親族に対して、援助できないか行政が確認する「扶養照会」という手続きを取ることで、 申請そのものをためらうケースもあるのが実態なんだ。(久永隆一)