20221Q Foundry→ Saturated(飽和) 
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 2021年1Q~2Qは世界的に28nmのロジック半導体が不足し、
その生産委託が集中したTSMCなどのファンドリーが逼迫していた。
しかし、その逼迫は2021年3Q以降は解消された。一方、リモートワークやネットショッピングの急拡大により、
データセンタ投資が活発になり、そこで使われるサーバ用メモリのDRAMとNANDが逼迫している。
しかし、この逼迫は、メモリメーカーの大投資により、いずれは解消されるであろう。

 
一方、ルネサスなどのIDMが生産するレガシーなアナログ&パワー半導体の逼迫が解消されることはないと思われる。
その理由は、今後、自動車の自動運転化およびEV化が加速すること、およびレガシーな
アナログ&パワー半導体が6~8インチの工場で生産されており、6~8インチの装置を確保することが困難なため、
そのキャパシティを拡大することができないからである。

 
このように、逼迫する半導体は28nmのロジックからDRAMとNAND、
およびアナログ&パワー半導体に移り変わった。
となると、2024年に稼働し12~28nmを生産する予定のTSMC熊本工場は、いったい何用の半導体をつくるのだろうか。
少なくとも現在、12~28nmのロジック半導体は逼迫していない。
結局、経産省が立案した半導体政策は、またしても「大失敗」に終わることになるのではないだろうか。


(文=湯之上隆/微細加工研究所所長)

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