「バイクに乗るから悪いのか?」トンネル内ケーブル垂れ下がりバイク転倒死亡事故

事故現場、点検なしで通行可? 国道168号線、奈良県十津川村川津の「助人トンネル」(すけっとトンネル)で2022年5月2日に発生したバイク転倒死亡事故。目撃者から救急への第一報は「トンネル内にケーブルが垂れ下がっていた模様。バイクが接触して転倒した。男性ライダー1人の意識がない」というものでした。

助人トンネルは全長555メートル、道幅は5.5メートルの片側1車線。昨年12月から今年11月の予定で補修工事が行なわれ、「ケーブルは黒色で、発見できないほど暗い」(警察関係者)状況でした。 奈良県警と五條署によると当時、トンネル内には3台のバイクが走っていました。この事故で1台目の普通自動二輪を運転していた53歳男性が死亡、3台目の大型自動二輪を運転していた31歳会社員が頸部打撲の軽傷でした。 明暗を分けたのは走行ラインでした。車線左寄りを走っていた1台目と3台目が事故に、中央線寄りに走っていた2台目は無事でした。3台は偶然同じルートを選び、先頭車両がソロツーリングでした。 垂れ下がっていたケーブルが事故を誘発したのか、事故が原因でケーブルが垂れ下がったのか。ケーブルと事故との因果関係は奈良県警が調査中ですが、直後に通行した目撃者は、取材にこう話しました。 「トンネル内の電線が上から垂れ落ちているので、反対車線を走って下さい、と言われその通りに走っていたら、本当に電線が上から垂れ下がっていて、その近くにはバイクとバイクの運転手の方が1人、うつ伏せ状態で地面に横たわっていました。全く動く様子もなく、もしかしたらバイクを走らせてる時に、あの電線に当たって感電してしまったのかと思いました」


一方、国道168号線を管理する奈良県道路保全課は、事故5日目の取材ではこう回答していました。 「通常、壁に固定したケーブルが外れることはない。施行状況については捜査中なので答えられない」(5月6日) 施行に対する自信があったからでしょうか。 事故の影響で助人トンネルは一時、全面通行止めになりましたが、規制はほどなく解除。そこで通行に関して施設の点検を行なったかを質しました。 「事故原因は捜査中なので、明らかになり、対応が必要であれば実施する。設備の点検は行なっていない」(5月6日) 一方、助人トンネル補修工事の施工担当者は「点検は行なった」と携帯電話で話し、奈良県と食い違いを見せています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/dae2d0e9df425ec589e80127a8765bf27c2f452f