
医療援助の仕事をしたために逮捕 スタッフ拘束から4カ月 カメルーン
https://www.msf.or.jp/news/detail/headline/aenrlh0000005ciz-img/MSB71648_Medium.jpg
カメルーン南西部、マンフェ地区病院の医療スタッフ。MSFは外科、産科、救急、小児科の診療を無償で提供し、救急車での搬送も行っていた=2021 年2月 c Scott Hamilton/MSF
看護師のマルグリットと運転手のアシューは2021年12月26日早朝、カメルーン南西州で銃撃された男性を搬送すべく出動した。
国境なき医師団(MSF)の救急車は、マラリアの子どもや妊婦、交通事故のけが人などを運ぶことがほとんどだが、
この地域では銃で撃たれた患者も少なくない。とはいえ2人も、その後に待ち受ける悪夢を想像すらしていなかっただろう。
カメルーンではこの5年、英語圏の独立を主張する分離派と政府軍との間で武力衝突が続く。
この政治状況により、中立・公平な立場で人道援助を行うMSFスタッフの逮捕が立て続けに起きている。
人道的な仕事をして拘束
患者は軍当局の警護のもと、マンフェで手当てを受けた。
マルグリットとアシューは数時間の取り調べのあと解放されたが、供述のために翌日戻るよう命じられた。翌27日、2人はまず憲兵隊に拘束された。
そして、テロリストの脱出作戦への関与、搬送書類の偽造、患者に偽名を与えたなどの容疑で公に非難されることとなる。
この地域の独立派勢力をほう助したとこじつけられたのだ。
MSFチームはこれらの容疑と拘束を知らされた時、誤解はすぐに解消されるだろうと思った。
そして2人が合意された手順をしっかり守っていたことを証明しようと、当局に連絡を取った。
MSFも弁護士も、そしてマルグリットとアシュー自身も実情を説明したが、4カ月経っても彼らは釈放されていない。
MSFは、患者が身分証を携行していない場合、当局と合意した行政手続きに則っていることを強調してきた。
紛争下でけが人や病人を治療し搬送することは、人道援助団体の基本となる活動だ。
医療は、患者がどちらの陣営に属するかにかかわらず施される。カメルーンの法律でも、命の危機に瀕した人への緊急援助の提供は保護されている。
同僚2人の即時釈放を求め、MSFは当局に繰り返し説明してきた──
中立・公平な立場の医療団体として、MSFは政府軍も含む両陣営の負傷者に対し援助活動を行ってきたこと。
銃に撃たれた患者への対応は、カメルーン南西部でのMSFの活動においてわずかな割合でしかないこと。
緊急時に利用できるよう、MSFの連絡先が地域に知られていること。
人びとへの接触とスタッフの安全を確保するためには、紛争の全ての当事者と話をしなければならないことなどだ。
カメルーンの独立機関であるマンデラ国際センターは、国防省の要請により報告書をまとめた。
公開されたその報告書は、マルグリットとアシュー、そしてMSFに対する不正行為の疑いを晴らし、2人の即時釈放を要求している。
https://www.msf.or.jp/news/detail/headline/cmr20220510mt.html