『サラーリーマン芸人』の有吉の章から引用
・まず自分(有吉)は、竜兵会みんなといるときと、竜さんと2人きりでいるときとで
接し方が全然違う。2人きりの時はひたすら持ち上げる。
・ たとえば「高校生の時、竜さんみたいなリアクション芸人を目指してたんです」と
平気で言える。普通はヨイショもそれで終わるが、更に
「高校の時に深夜番組の『ダチョウ三銃士』を見て竜さんに憧れてこの世界に入ったんです!」と言える。
もちろん全部ウソ。リアクション芸人なんて憧れたこともないし、『ダチョウ三銃士』も見たことない。
・ 更に「こんなこと、みんなの前では恥ずかしいし、リアクション芸人も
神から選ばれた人しかなれないんで、僕なんか絶対無理ですけど・・・」と言いながら泣き出す。
僕、泣きますよ。本当に。
・ 泣いてると、竜さんは俺の肩を優しく叩きながら、「そうだな、おまえのキャラもあるし、
みんなの前では言えないだろう。わかる、わかるぞ。俺の前では泣いて本当の姿を
出していいぞ」ともらい泣きしてくれる。ここまで来れば簡単ですよ。完全に僕のペースですから。
・こうしておくと、みんなの前で竜さんにどんな悪態をつこうが、竜さんの心の中では
「有吉は、2人きりでいるときに俺の前で見せた方が本当の有吉だ」と勝手に思ってくれる。
その上、「悪態つくのも、みんなには本当の自分を見せたくないからなんだな」と同情すらしてくれる。
無礼さが、むしろ「可愛いヤツだ、みんなの前では無理してるんだ」と思ってくれて、
一回良いように思わせとくと、あとは勝手に何をやっても良い方に解釈してくれる。
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