——ヤクザになって何年目なのか?
「今40なので、22年になりますね」
——組を持ったのは何才か?
「今から5年前なので35歳ごろだったと思います」
——刑務所に行った経験はあるか
「2回ありますね。1回目は傷害で3年、2回目は抗争事件の絡みで逮捕監禁の罪名で同じく3年です」
——ヤクザになっていいことはあったか?
「わがままが通るということですかね。好き勝手なことができるじゃないですか。また、それをヤクザだからしょうがないと思われる時代もあったので」
——ヤクザは非常識だと思われがちですが、意外とそうでもないですよね。
「常識は一般人よりあると思います。親分に付いて常識を叩きこまれますから。だけどそれを知っていて悪いことが出来るのがヤクザですよね。だから悪質だとは思います」
——今、組員は何人いるのか?
「私の組は15人位ですね」
——上の組織は直系団体ですが、上納金はどの位払っている?
「私のクラスで毎月150万ですね」
——毎月キツくないのか?
「キツくないと言ったら嘘になりますね。キツいですけど、これだけは払わないとヤクザなんてやっていられないですから」
——どのようなシノギをやっている?
「色々ですね。たとえば今日10万円稼いだら、普通の人は「ホッ、今日は10万円が手に入った」…と、心が落ち着くのでしょうけど、私らはエンドレス。今日儲けても、明日の儲けのとかしか考えられない。だからいろいろなシノギをやるんです」
——ヤクザは弱きを助け強きを挫くとか侠客の理想を言いますけど実際はどうなの?
「そんなのは理想論ですよ。弱きを助けて強い人をやっつけてたら金は入って来ないし、飯食えないじゃないですか。実際は逆です」
——暴排条例はキツいのか?
「キツいですね。カタギの人が私らを避ける言い訳になってしまいましたから。実際には今まで、私らは利用して利用されていた部分もありましたけど、それが無くなりましたね。お金を貸していても、取りに行ったら恐喝で捕まったりする時代ですから」
——組長はともかく、組員はどんなシノギをしているのか?
「薬流してる人間もいるし、風俗嬢を現場に派遣して給与を中抜きしている人間もいます。うちは詐欺関係以外のシノギなら基本何をしても問題無いですから」
——お年寄りを騙すオレオレ詐欺などは?
「私の耳に入ったらダメですね。他の組織は黙認している場合もあるみたいですけど。上に金さえ運べばいいという拝金主義ですね」
——抗争事件は起きないのか?
「揉め事は毎週のように起こりますよ。だけど大事になる前に話を付けちゃうので」
——何か最後に言いたいことはあるか。
「ヤクザにいい人は絶対にいません。それを知らずにヤクザと接触するのは間違いです。私らはいかにいい人に見せて、最後には泣かせるかが勝負、それでヤクザと呼ばれます。よく、あの人はヤクザだけどいい人だとか聞く場合もありますが、私は信じません。その人は絶対に悪いことをして今の地位にいるはずです。人を平気で騙せて泣かせることができるヤクザこそがいい地位につき、評判も上がります。だからどんなに人当たりのいいヤクザと知り合っても、深入りしてはいけません。興味本位で近づかない方がいいですね」
——生まれ変わったらまた同じことを?

「何も考えない道端の植物とかでもいいですね」

 最後に本音が出たのだが、実際に暴力団である程度の地位にあり、金銭的に余裕のある人はさすがに違う。「いい人だったけどやはりヤクザだったね」と言われるくらいでないと、上には上がれないのがヤクザの悲しい現実である。
https://tocana.jp/2019/10/post_112208_entry.html