アングル:「ディープフェイクから守って」、声優や俳優が権利訴え
https://jp.reuters.com/article/tech-entertainment-ai-idJPKCN2N60DT

声優のベブ・スタンディングさんはある日、友人からのメッセージに驚愕した。
「Tik Tok(ティックトック)のテキスト読み上げ機能の声はあなたの声だよね」と聞かれたのだ。
その驚きはやがて怒りに変わった。

人気ソーシャルメディアであるティックトックからの仕事を受けたことはない。だが、その声は疑いようもなく自分のものだった。

何年も前に別のクライアントのために録音した自分の声をティックトックが何らかの手段で取得し、
アルゴリズムで処理して、テキスト入力した文章を読み上げて音声として動画に重ねることができる機能としてアプリに導入した──。
スタンディングさんはこう結論した。

スタンディングさんはティックトックを訴え、9月に決着を迎えた。パフォーミング・アーティストたちはこの訴訟について、
クリエイティブな仕事をする人々に対して人工知能(AI)が突きつける課題の深刻化を象徴している、と語る。

「私にとってはビジネスだ。自分の商品を保護しなければならない。
私の商品とは、この声だ」とスタンディングさんはトムソン・ロイター財団に語った。

「ティックトックは私のクライアントではない。
いわば、私が車を買ったのに、誰かがそれに乗って行ってしまったようなものだ。
買ってもいない人間が乗り回すべきではない」