https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220523/k10013634851000.html

『母親になって後悔してる』

ドキッとするようなこの言葉。イスラエルの研究者が執筆した本のタイトルです。
学術書の翻訳だけあって、正直、誰もが読みやすいと感じるものではありません。

それにもかかわらず、発売直後からSNS上などで話題となり、新聞や雑誌で紹介されるなど注目を集めています。

書評で「言葉にしていいんだっけ」とも表現されたこの言葉。
みなさんはどう感じますか?

ことし3月に国内で発売されたこの本は「今の知識と経験をふまえて過去に戻れるとしたら、
もう一度母になることを選ぶか」という質問に「いいえ」と答えたイスラエル人の女性23人にインタビューした内容をもとに構成されています。

2016年にドイツで初めて出版されてから、ヨーロッパやアメリカ、アジアなど世界13の国と地域で次々と出版が決まりました。

「子どものために自分の人生をあきらめた」
「母になることで奪われたものは取り戻せない」
「向いていないし、好きじゃなかった」
「もしも別の道を選べるのだとしたら、そうする」

本のタイトルを初めて見た人たちのSNSなどでの反応は。

「これって言って良いことなの?」
「子どものことを考えたら思っちゃいけないんじゃ…」
「そんなひと本当にいるの?」

一方で、23人の女性たちへの共感が数多く投稿されています。

「読み返すたび涙があふれる」
「刺さる。私にかけられた言葉すぎ」
「考えないようにしていたことを突きつけられた」

半世紀にわたり母親や母性について研究を続けてきた第一人者、
恵泉女学園大学の大日向雅美学長は、反響の大きさをこう分析します。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220523/K10013634851_2205201819_0520182115_01_06.jpg