ヤンキースのベテラン戦士が敵野手に放った“ジャッキー発言”が波紋! 米記者は「差別に当たると知っていた」と糾弾

「よぉ、調子はどうだ。ジャッキー」

 ニューヨーク・ヤンキースに所属するジョシュ・ドナルドソンが、シカゴ・ホワイトソックスのティム・アンダーソンに放った言葉は、大きな波紋を広げている。

事の発端は、現地時間5月21日にヤンキー・スタジアムで行なわれた一戦での一幕だ。5回裏に打席に立ったドナルドソンに対し、ホワイトソックス捕手のヤスマニ・グランダルが、セカンドベース方向を指さして何かを言うと口論に発展。そこから両軍ベンチが飛び出しての大騒動となった。

 試合後に「あの発言が許されるはずがないんだ」と怒りを露わにしたグランダルは、すべての原因が、試合中にドナルドソンが何度も言っていたというアンダーソンへの先述の言葉にあったと明かした。

 36歳のベテラン戦士が言った「ジャッキー」とは、黒人初のメジャーリーガーであるジャッキー・ロビンソンを指す。「冗談のつもりだった」と釈明する彼は、2019年の米メディアでのインタビューで自らを「現代のジャッキー・ロビンソンだ」と語ったアンダーソンの発言を皮肉交じりに“いじった”、つもりだった。

 しかし、「俺だけじゃなくて、いろんな黒人選手への敬意に欠けていたし、不適切だ」と受け手のアンダーソンは激昂。ホワイトソックスのトニー・ラルーサ監督も「彼は人種差別的な言葉を残したんだ」と指摘したため、MLBが処分の可能性を含めた調査に乗り出すと発表する大問題へと発展した。

 もっとも、ドナルドソンは「彼が無礼だと言うのならそういうことなんだ。俺は謝罪する」と猛省した態度を見せてはいる。しかし、現地メディアや選手間でも名手が放った発言には、批判の声が上がっている。そのなかで米メディア『The Athletic』のジョー・フェイガン記者は「アンダーソンとの騒動でドナルドソンの言葉を信じる理由はない」と糾弾した。

「もしかしたらドナルドソンはそれがジョークのひとつになると思っているのかもしれない。しかし、彼は考え直すべきだった。そして、彼はすでにそれが差別に当たること、そういう意図だと知っていた。それは賭けてもいい」

 決して笑えない“ジョーク”を放ってしまったドナルドソン。はたして、彼は何らかの処分を受けるのか。球界、いやスポーツ界がその動向を見つめている。


https://news.yahoo.co.jp/articles/d839d24a747558db5b745be93a8bde261a663844



【動画】ホワイトソックス捕手もブチギレ! ドナルドソンとの騒動シーン
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