「暑い」「寒い」同時に苦情も…電車の温度設定どうなってるの?

「朝の通勤中、地下鉄の車両が蒸し暑い。どんな基準で温度設定しているのか」。
福岡市の40代男性から、西日本新聞「あなたの特命取材班」に声が届いた。
福岡市営地下鉄を含め鉄道各社の温度管理の現状を調べると、利用者からの苦情が絶えず、温度管理に気を使っていた。
車内の密接度合いなど利用者の状況によって体感温度に差が生じ、対処は簡単ではないようだ。

男性は、午前8時半から9時ごろ、市営地下鉄・空港線に天神方面へ10分ほど乗車する。

スーツにネクタイを着用する4月はもちろん、クールビズで軽装になる5月以降も暑いと感じ、弱冷房車は避ける。
「汗だくになった後にやっと冷房が強くなり始め、汗が引く前に目的地に着く感じだ。周りも暑そうにしている」

市交通局によると、地下鉄車内は2020年6月ごろから24度(弱冷房車は26度)に設定。
それまでは25度(弱冷房車は27度)で、コロナの感染拡大で乗客がマスクを着用し、体感温度が上昇するのを踏まえて変更した。
全車両に備え付けたセンサーが、設定を超えた温度を感知すると、冷房が強まる仕組みだ。

実際はさらに、低温設定となる。朝夕のラッシュ時間帯(空港線だと「午前7時半~9時」「午後5時半~7時」)は、設定から1度下げる。
乗車率が100%(6両編成で約850人)を超えた場合も、さらに約1度下げる。
混雑するラッシュ時は両方の条件がそろい、設定温度が22度に下がることもある。

数字を見るとかなり涼しい温度だが、市交通局によると、「センサーで測れない湿度や客同士の密接度も体感温度に影響する」。
各駅に停車する地下鉄だと、約2分ごとに扉の開閉があり、冷気は逃げやすい。
七隈線より利用者が約4倍多い空港線は、扉が開いている時間も長いという。

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