閑話休題

放送禁止用語も登場 ウクライナ各地を飾る戦時下のポスター - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220524/k00/00m/030/125000c

ロシア軍がウクライナ侵攻を開始して3カ月となる中、ウクライナ各地の街頭では戦時下を感じさせるポスターが多数掲示されている。
ユーモアを込めて市民を鼓舞するものや、「戦争英雄」をたたえるものなど内容はさまざまだ。
土産物店ではTシャツなどのグッズも登場している。


 「ロシアの軍艦め、くそ食らえ!」。クレムリン(露大統領府)の時計台と軍艦を合体させた異形の船が海に沈んでいくイラストと、激しい罵倒の言葉。
4月に沈没した露黒海艦隊の旗艦「モスクワ」を連想させる一枚だ。いわゆる放送禁止用語が含まれるが、この組み合わせは抗戦姿勢の象徴としてTシャツにもなっている。

 ポスターにはある種の地域性も感じられる。広い国土を持つウクライナでは、東部や南部は戦闘の前線や露軍占領地域に近いが、西部は比較的安全だ。
このため、ロシア兵に投降を呼びかける似た内容のものでも、南部ザポロジエでは文字だけの看板が見られた一方、西部リビウの看板はイラスト付きでソフトな印象だった。

 罵倒語を含むポスターまで掲げられている背景には、無差別攻撃を続ける露軍への怒りがあるようだ。
南部オデッサからリビウに避難している経営アナリストのアンドリー・カリニチェンコさん(35)は「戦時下の現状においては激しい言葉も許容できる。ただ、ウクライナ語は本来美しい言語であることを知ってほしい」と話していた。【リビウで真野森作】