静岡県中部の県立高校の元女子生徒が、男性教諭からしつこく叱責(しっせき)され、校舎から飛び降りて大けがをしたとして、県や教諭、校長(当時)に慰謝料など550万円を求めた訴訟の判決が26日、静岡地裁であった。
菊池絵理裁判長は「教育的指導の範囲を逸脱している」として、県に220万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性教諭は2016年10月、研修に参加できなくなったことを申し出た原告に激高。
午前2時すぎに電話などで計1時間以上叱責した上、原告の携帯の電源が切れている間にも9回にわたり電話をかけ続けた。
翌日、学校でも呼び出して叱責。直後、原告は校舎3階から飛び降り、大けがを負った。

 被告側は、教諭の行為は「教育的指導の範囲内」と主張。原告が復学後、校長は教諭と原告が接触しないよう配慮し、再発防止に努めたと主張していた。

 判決では、夜中の電話やLINEでの叱責、呼び出して「学校を辞めるか」などと迫った教諭の行為は「教育的指導の範囲を逸脱している」と指摘。
教諭が原告を精神的に追い詰めた結果、飛び降り事故が起きたと認定した。
一方で、学校側の対応については「再発防止や、原告と教諭の接触機会を減らす方策を講じた」として、事故後、教諭を転勤させるなど職務上の義務を果たさなかったとした原告側の訴えは退けた。

朝日新聞社
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