食料危機を深刻化させるロシアが得る利益-穀物を「戦争の武器」に
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-24/RCE0DMDWLU6801
ロシアのウクライナ侵攻は世界的な食料危機を深刻化させている一方で、小麦価格の高騰などを引き起こした張本人であるロシアには利益をもたらしている。

  戦争によってウクライナからの穀物の海上輸送は阻害され、ソマリアからエジプトに至る国々への重要な供給が断たれている。世界の他の地域では高温と干ばつが小麦の収穫に打撃を与えており、小麦価格は過去最高値水準に上昇。中東と北アフリカの一部では飢餓の脅威が迫っている。

  ロシアは価格の高騰した小麦の輸出を続けており、1トン当たりの収入を増やしている。同国の小麦は来季に豊作が見込まれており、収入増の傾向は継続するとみられる。世界の小麦価格は今年に入って50%余り上昇しており、ロシアの大手農業コンサルティング会社ソベコンの推計によると、同国の今季ここまでの小麦輸出税収入は19億ドル(約2400億円)に上る。