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米小学校乱射、犯人に立ち向かう武装警備員「いなかった」と当局 保護者は警察を批判

米テキサス州ユヴァルディの小学校で起きた銃乱射事件で、警察の対応に遅れがあったとして保護者らから批判の声が上がっている。こうした中、捜査当局は26日、校舎内に侵入する銃撃犯に立ち向かう武装警備員がおらず、学校のドアが未施錠だった可能性もあると説明した。

テキサス州公共安全局の地域ディレクター、ヴィクター・エスカロン氏によると、事件当時、10代の犯人に立ち向かった武装警備員はいなかった。また、学校のドアが施錠されていたかどうかも不明だという。

事件をめぐっては、警察がユヴァルディのロッブ小学校内で犯人と対峙(たいじ)するのをためらっていたとの目撃情報が複数報じられている。批判が高まる中、エスカロン氏は警察の対応を擁護した。

エスカロン氏は記者会見で、犯人が警備員1人を撃ったという当初の報告は誤りだったと述べた。また、24日午前11時40分頃に犯人が学校に侵入し、4分後に警官が現場に到着したと説明した。
「犯人が発砲していたため、警官はすぐには中へ入らなかった」

国境警備隊の戦術部隊が到着して中へ入ったのは事件発生から約1時間後の12時45分だった。犯人は銃撃戦の末に死亡した。

生徒19人と教師2人が男に射殺され、少なくとも17人が負傷した。
警察は「何もしなかった」、対応求めた保護者に手錠か
事件当時、集まった人や児童の家族が必死に校舎を襲撃するよう警察に求めている姿を捉えた動画が複数浮上している。

娘が死亡したという男性はAP通信に対し、警察が行動しないことにいら立ち、居合わせた人たちと学校に突入することも考えたと語った。

ほかの保護者と一緒に、犯人を襲撃するよう警官に求めたという母親の1人は、警察の捜査を妨げたとして一時的に手錠をかけられたと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに語った。アンジェリ・ローズ・ゴメスさんによると、取り乱していた父親1人が警官に地面に投げつけられ、別の父親はペッパースプレーを浴びせられた。また別の父親にはテーザー銃が使われたという。

「警察は何もしていなかった」と、ゴメスさんは話した。「彼ら(警官)はフェンスの外に立っていただけ。中へ入ることも、どこかへ行くこともしなかった」。

ゴメスさんは自分の子供2人を救出するためにフェンスを飛び越え、学校に駆け込んだという。

エスカロン氏は、警官は学校の外にいる間は増援を要請し、「生徒や教師を避難させていた」と説明。「1時間後に国境警備隊の戦術部隊が到着し、学校へ入り、容疑者を射殺した」と付け加えた。