「叙述トリック?」
「そう、それですわ!叙述トリック!いったいどういうトリックなのかイマイチわからないんですわ」
「そう言われても、意図的にある情報を伏せることによって読者の思い込みで事実を誤 認させる方法だね。としか言いようがないよ。主に推理小説で用いられることが多いね」
「言葉で説明されてもよくわからないんですわ」
「とは言っても、『この作品が叙述トリックを使った作品だ』などと教えたら、それだ けでネタバレになってしまうからね。君も推理小説のネタバレは許せないタイプの人間 だろう?」
「あ、あたりまえですわ!」
「そうだね。では実際に『叙述トリック』をこの場で見せてみようか」
「そんなことができるんですか?そら助かりますわ?おおきにな、兄ちゃん!」