ウッドデッキに滑走痕、住民に注意され口論も…揺れる五輪レガシーのスケボー場整備計画

 昨夏の東京五輪・パラリンピックのレガシー(遺産)を象徴する施設として、東京都が臨海部で進めるスケートボード(スケボー)場の整備計画が揺れている。周辺で愛好者らが公園のベンチを壊したり、住民とトラブルを起こしたりする事例が相次いだためだ。環境の悪化を不安視する地元に配慮し、都は新施設の利用者にマナー講習を義務づける方向で検討を始めている。

メダル量産の地

 2024年春に部分開業が予定される江東区有明地区の「有明アーバンスポーツパーク(仮称)」。東京五輪で堀米雄斗選手(23)らメダルを量産した日本勢が実際に滑った「ストリート」と「パーク」の両コースを一般に開放し、初心者向けの練習コースも新設する。

 都スポーツ施設部の熊沢健一担当課長は「メダリストが滑ったところで練習ができる。五輪を機に興味を持った人から、大会を目指す選手まで幅広く使える施設にしたい」と語る。
 同パークは、東京大会の設備を生かして都が整備する「大会レガシーゾーン」、民間事業者がスポーツ施設などを建てて運営する「多目的ゾーン」からなり、五輪のコースを再現するボルダリング施設なども設置。都はテニス会場の「有明テニスの森」、バレーボール会場「有明アリーナ」を含む一帯を「有明レガシーエリア」として一体的に整備し、街づくりの途上にある臨海部開発の起爆剤とする。
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