市川 SODに入社する前、大学4年生のときにバイトを変えたことがあって。いまも素敵だと思っている松本恵奈さんという方がプロデュースする「EMODA」というファッションブランドがスタッフ募集をしていて。その時に「あ……これやりたい!」と初めて自分から思ったんですよ。

 小さい頃からお洋服は好きで、お母さんに教えてもらいながら、自分でつくったりしていたこともあって、「一回アパレルやってみたいな……」という思いで、それが、明確に“やりたいこと”ができた第一歩だったかもしれません。

 履歴書を提出して、面接に受かって、実際にバイトもしていました。だから、大学卒業後は「アパレルを続けてみたいな……」という気持ちでいたんです。

――それでも、卒業後はSODに?

市川 ですね。アパレルを続けたいと考えていたんですが、なかなか正社員になりづらい環境で。どうしようかな……と考えていたタイミングで友達から「SODの会社説明会に行きたいからちょっと付いてきてくれない?」と声がかかったのがきっかけです。

 その子も興味本位だったみたいで、私も「友達に誘われたから」と、特に深く考えずに行ったんです。「会社説明会に行ったし、せっかくだし一応エントリーシートも出しておくか」みたいな気持ちだったんですかね。そこからあれよあれよと、SODで働き始めるようになりました。

――SOD は主に男性に向けた性的な商品を制作・販売する会社ですが、嫌悪感や恐怖感はなかったんでしょうか?

市川 当時、交際経験こそあったものの、男の子のことも基本的には友達としてしか見たことがない感じで、性的なことに明るくなかったんです。だから、業務内容については本当に未知でした。

 でも、高校に入学して以降の経験から「私は新しい世界を見るのがすごく好き」っていうことに気づいていたので、「SODで働き始めたら新しい世界が見られるはずだ!」と考えていましたね。興味が強かったぶん、嫌悪感や恐怖心みたいな感情はあまりなかったのかな、と思います。

――市川さんといえば、入社後、宣伝部に配属されていた社員が女優としてデビュー……という売りで注目されたと思いますが、働き始められたときから、宣伝部としての業務に従事していたんですか?

市川 いえ、はじめは営業企画部という部署で働いていました。期間としては半年もなかったくらいだったんですが、女優さんについて行ってイベントのサポートをしたり、女優さんのアメニティの準備をしたり、アテンドをしたり……。いろいろやっていましたね。

 宣伝部に移ってからは、SNSをはじめとした広報業務が主な仕事でした。

――その頃にバラエティ番組の『ゴッドタン』が会社に収録に来て、たまたま出演された市川さんが、視聴者から大きな注目を集めました。当時の反響はどうでした?

――そこから、宣伝部に勤めている際に、女優としてデビューされるという流れですが、打診があったときの気持ちは?

市川 「え!?」って固まりました。その一言ですね。

――女優デビューありきで採用されたのでは? という気持ちにはならなかったんでしょうか?

市川 私がSODのメンバーとして働いていた際に、一緒に会社で働いていた人が女優としてデビューする……というのを目の当たりにしていたので、そういう気持ちは湧かなかったですね。ただ、打診があったときには、やっぱり驚きましたよ。あ、驚くというよりは、なんて言うんでしょう……。「自分なんかが!?」という気持ちが大きいというか。https://news.livedoor.com/article/detail/22258894/