1審判決によると、番組は17年1月に放送され、沖縄県の米軍ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設反対運動の参加者を「テロリスト」などと表現。出演者が、市民団体が反対運動の参加者に日当5万円を支払っているという趣旨の発言をした。

 1審は、反対運動で過激な暴力行為を伴う犯罪行為が繰り返されているような印象を番組が与えたなどと指摘し、「重要な部分で真実性が証明されていない」として制作会社に賠償とウェブサイトへの謝罪文の掲載を命じた。辛さんは番組司会の長谷川幸洋・元東京新聞論説副主幹にも賠償を求めたが、1審は「企画、編集に関与していない」として棄却した。このため原告側、被告側ともそれぞれの敗訴部分を不服として控訴していた。

 この番組を巡っては、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会が18年3月、辛さんへの人権侵害を認定し、TOKYO MXが同年7月に謝罪した。【遠藤浩二】