原因不明の「小児急性肝炎」 ~欧米を中心に報告が増加

6/7(火) 11:20配信 ニッポン放送
東京都医師会副会長で感染症担当、「角田外科消化器科医院」院長の角田徹氏が5月31日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。小児の急性肝炎について解説した。

■小児の急性肝炎 ~劇症肝炎になれば肝移植するしかない

飯田浩司アナウンサー)今回は小児の急性肝炎について取り上げてまいります。私も7歳の子どもがいるので心配なのですが、世界中で報告があるということです。

角田)欧米を中心に報告が出ていて、16歳以下のお子さんが発症しています。

飯田)以前から子どもが急性肝炎になるという傾向はあったのですか?

角田)エプスタイン・バー(EB)ウイルスという、扁桃腺が腫れて高熱が出るようなウイルスがありますが、その場合などに肝機能障害がみられることがあります。

飯田)そうなのですか。

角田)ただ、今回の欧米での事例は、劇症肝炎になってしまって、肝臓がほとんどダメになってしまうような状態です。そうなると、救うためには肝移植をするしかありません。そこまで重症化する事例は、日本では聞いたことがありません。

■急性肝炎
飯田)そもそも急性肝炎というのは、どういう病気なのですか?

角田)急性肝炎の多くは、ウイルス性肝炎です。ウイルスに感染して、肝細胞内で増殖します。それを白血球などが異物だと認識して攻撃するのです。そうすると肝細胞が壊れて肝臓に炎症が起き、GOT・GPTなどの数値が大きく上がってしまいます。

飯田)ウイルス性肝炎。

角田)あとは薬剤が肝臓に悪さをして、急性肝炎のようになる場合もありますけれども、ウイルス感染による肝炎がほとんどです。

飯田)自分の免疫機能によって肝臓を壊してしまう。

角田)異物を排除しようという働きが肝細胞に対して働いてしまうのです。

飯田)それが広範囲にわたると、劇症などに変わっていくのですか?

角田)肝臓は解毒やたんぱく質の合成など、いろいろな機能を持っています。肝細胞がまったく働かなくなると、そのまま死に至ってしまうわけです。代わることができる臓器はありませんから。そうなると、肝移植することでしか救えないのです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7220f5d33ab41bccaef4e5992293537a920eec3a