両被告が出会ったのは16年春、子どもが同じ幼稚園だった。「こっちにおいでよ」。碇被告が赤堀被告に声をかけ、「ママ友グループ」に誘った。

碇被告は当時、新築した一軒家に、夫や3人の息子と暮らしていた。赤堀被告は碇被告宅に入り浸り、LINE(ライン)で1日に千回もやりとりすることもあったという。

 「悪口を言ったママ友から裁判を起こされている。背後に暴力団関係者がいる」

 「旦那さんが浮気している」

 赤堀被告のうそを信じた碇被告は、親族や他の保護者と疎遠になり、夫とは離婚した。言われるがままに「裁判費用」などを支払い、給料や生活保護費までも赤堀被告に渡した。弁護人は、その総額は1370万円に上るとした。