あるJ1クラブの強化責任者は「練習に参加する権利は、選手の権利として守らなければいけない。どんな理由であれ、どんな行為があったとしても、長期間の(練習参加禁止)処分はその権利を侵害することになる」と指摘する。
日本サッカー協会関係者も「行き過ぎた処分という印象だ。(長期間)練習参加させないことは、海外では(選手への)虐待と受け取られることも少なくない」と明かす。

 国際サッカー連盟(FIFA)は、クラブが所属選手に対し、ペナルティーを科す場合、1か月を超えるケースは選手側に契約を解除する権利があるというスタンスを取る。「練習に参加する権利は、選手にある」という考えに基づく。

 乾が、ペナルティーを受けるべき行動を起こしたことは間違いない。この行動がなければ、問題にもならなかった。ただ、対応したクラブが範疇(はんちゅう)を超える罰を与えたことも事実。
乾がこれを理由に態度を硬化させたかは不明だが、両者にとって不幸な結論に至った経緯に、クラブの国際ルールへの理解不足から来る対応があった可能性が高い、と見る方が自然だ。

 長友佑都、大迫勇也、酒井宏樹ら海外組がJリーグに復帰するケースも増えてきた。成熟した欧州でプロ意識を持ってプレーした選手たち。彼らとどう向き合い、チームの力としていくか。
Jクラブには「感情」や「親会社」基準ではなく、プロとしての判断が求められる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/426d3a2b11d2ead21a27e6960dd2eeda06458e99