脳に電気刺激、うつ病や自己免疫疾患にも、進む研究
電気刺激で治療できそうな病気が増えている、これまでにわかっていること

電気刺激を利用して、うつ病や自己免疫疾患などの症状を治療する研究が進んでいる。手術で脳の奥深くに電極を埋め込み、特定のニューロン(神経細胞)を電気で刺激する脳深部刺激療法(DBS)が、てんかんやパーキンソン病に有効であるということは、数十年前から実証されてきた。
最近では、同じ方法でほかにも治療できる可能性のある病気が増え、さらに体内からだけでなく体外からの電気刺激でも効果が得られるかもしれないと考える科学者たちもいる。

 DBSで重度のうつ病などを治療しようという試みが注目を集めたのは2010年代のこと。
いくつかの小規模な試験で有望な結果が報告されたものの、その後に実施された2つの大規模な臨床試験では有効性を示すことができなかった。

 臨床試験は半年後に新規患者の登録受付を停止したが、既に手術で電極を埋め込んだ患者に関しては追跡調査が続けられた。
すると2年後、半分の患者に症状の劇的な改善が見られた。
だが残念ながら、この時には実験は中止されていた。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/22/060900257/