女性は強姦被害について何故よく嘘をつくのか 
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-45584341
キャティ・ケイ、BBCワールドニュース、アナウンサー

米連邦最高裁判事に指名され、上院の承認審議の渦中にあるブレット・キャバノー連邦高裁判事に対して、お互いが10代のころに性的暴行を受けたと、大学教授のクリスティーン・ブラゼイ・フォード氏が名乗り出た。キャバノー判事はこれを否定している。つまり、どちらかがうそをついていることになる。しかしそれがどちらなのか、 私たちには分からない。

分かっているのは、次の通りだ。

過去20年間のさまざまな学術研究によると、強姦されたという主張のうち、偽りだったのはわずか2〜10%だ(フォード教授の弁護士は、被害内容は強姦未遂だったと位置づけている)。

2〜10%は多すぎる。しかし全体からすれば、大きな割合ではない。ただし、偽の強姦被害の主張は、注目されがちだ。

女性が学生による集団強姦被害を訴え出たものの、証拠不十分で起訴が取り下げられた2006年の米デューク大学ラクロス・チーム事件は、マスコミにしきりに取り上げられた。2014年に米誌ローリング・ストーンが報じたバージニア大学の集団強姦事件も、注目されたが、捏造(ねつぞう)記事だと断定された。

しかし、この2つの事例は特殊ケースだ。あらゆる強姦被害の訴えを代表するものではない。

米ニュースメディアのクオーツに掲載された、サンドラ・ニューマン氏の記事が役に立つ。それによると、英内務省が2000年代初めに行った調査では、虚偽の主張だと分類された216件のうち、偽証罪で逮捕に至ったのはわずか6件だった。
その6件のうち、起訴されたのはわずか2件で、どちらも告訴内容は虚偽だと判明した。
しかし問題なのは強姦されたという偽りの主張より、性暴力被害の方が、圧倒多数だ。紛れもなく。
米司法統計局によると、性暴力全体のうち警察に通報されたのはわずか35%だとみられる。