コンピューターウイルス「ランサム(身代金)ウェア」を送り込んできた攻撃者からの脅迫文だった。

 すぐにセキュリティー専門家に相談し、サーバーにデータを復旧させる手がかりが残っていないか調べた。販売元にも問い合わせ、復元用のソフトをダウンロード。
警察にも通報し、約10日間格闘したが、万策が尽きた。要求額は6万円。「もう払ってもいいか」。心が折れた。

 ネットでデータ復旧業者を探し、「身代金の支払い代行はできますか」と尋ねると、電話に出た相手は声を潜め、「実はやっています。過去にもそういう事例はあります」。
業者に身代金と復旧費10万円の計16万円を支払った。6万円分のビットコインがハッカー集団に渡り、引き換えに暗号化を解除する鍵が届いた。

 サーバー内の情報は約3週間で復旧。請求書には「データ復元作業」と書いてもらった。「ある意味グレーな行為だった。ただ、大事なデータを取り戻すため、背に腹は代えられなかった」。男性は今も自分にそう言い聞かせている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/25542b0e06df62425ad63914cd2d780c4968a02c