■女性は2秒で男性を評価する

 実際には、彼女は君を評価している。

 女性は、およそ2秒の間に、男性の外見だけでなく、人生がうまくいっているかどうかまで評価できる。だから君の顔と身体は、性経験や自信や性格について、あらゆる種類の手がかりを示している──そして女性は、それをひと目で見て取ることができる。

 君が女性にアプローチする前に、彼女は君に話しかけてもらいたいかどうか決めているし、君のパートナーとしての価値と社会的な地位を、君が最初のバカげたメッセージを送る前に判断している。

 心理学の研究が明らかにしたところによると、女性の視点から見て、出会う男性の大半は好感がもてず、共感力が低く、誠実さに欠け、頼りにならず、清潔感にも乏しい。すべてが欠けているように見えるのだ。

■女性は常にリスクに晒されている

 それにくわえて女性は、精神疾患や人格障害は男性のほうが多い(危険なものも含めて)という事実に向き合わなければならない。

 男性のほうが多い精神疾患としては、アルコール依存症、ドラッグ依存症、自閉症、統合失調症、ナルシシズム、反社会性パーソナリティ障害、サイコパスといったものが挙げられる。こうしたものすべてが、男性との出会いを恋愛へと発展しづらくさせ、逃走反応を引き起こさせる原因になる。

 「自分はいままでそんなひどいことはしていない。そんな奴らと一緒にしないでくれ」

 それには同意する。「目についた女性をみんな口説く」という一部の男性の行動に苦しめられているだけだ。だからこそ、女性の視点から世界を理解することが大事なのだ。

■「5%のクズ」に90%の時間を費やす現実…

 女性が男性に関して経験することは、警官が市民に関して経験することに似ている。警官は、人類のなかでも5%しかいないようなクズへの対応に90%の時間を費やす。この苦い経験から、人類に対するシニカルでネガティブな運命論的見解が形成される。

 人類がみなダメなわけではない。警官は最悪な部分しか見ないのだ。

 同じように、女性は恋人選びの市場での大半の時間を、もっとも邪魔で気に障る、クレイジーな少数の男性を避けることに費やす。サイコパスは肉食系で、他人の目を気にせず、自信に満ちあふれている。そのため、アメリカの全男性のうちの4%しかいないにもかかわらず、女性が口説かれた40%はこうした男性からなのだという。

 ほかに、いちいち名づけるには多すぎる種類の、女性が嫌悪感を覚えるようなことをする男性が存在する。これを簡単にまとめるなら、女性の経験というのは、最悪の男性が彼女にまっすぐ近づいてくるのに、最良の男性はどこにも見つからないというものなのだ。

■女性が男性に対して「あいまいな態度」をとる本当の理由

 男女の最初の選り好みには巨大な性差が存在し、科学的な調査によっても、出会い系サイトのビッグデータでも裏づけられている。男性は自分が知っている女性のほぼ全員に対して性的な幻想を抱くが、女性はほぼすべての男性に対して幻想を抱かない。

 問題になるのは、君が彼女の眼鏡にかなっていないにもかかわらず、そのことを君に伝えなければならないという状況だ。というのも、女性は、はっきり拒絶するのが好きではないからだ。

 この傾向は深い進化的な論理に根差していて、男性の求婚者に公の場で恥をかかせることで直面するリスクを最小化するためだ。

 女性があいまいな態度をとったり、ミステリアスだったり、とらえどころがなかったりするのは、「ゲームをプレイしているから」でも「君をもてあそんでいるから」でもない。ハラスメントやストーカー、暴力的な報復のリスクを本能的に減らそうとしているだけなのだ。

■女性の視点に立つ練習

 いまや、君は女性が毎日、毎時間、毎週直面している問題について、より深く理解しているはずだ。彼女の身体的・感情的・社会的安全を脅かす不確実性や脅威を、一般的なレベルでは君も理解できる。

 しかし特定の、個別の女性のレベルではどうだろうか?  どうすれば彼女特有の視点に対する洞察力を得られるだろうか?  どうやって彼女を主体として扱えるだろうか?  それに必要なのは視点移動だ。

 女性は君を理解するために精いっぱい努力している。女友だちと、男性が何を考え何を感じているのか、ある特定のフレーズや行動が何を意味しているのかについて話している(いわゆる恋バナ)。

 これをたとえ半分だけでも理解すれば、君が学ぶすべてがもっと意味をもち、効果的なものになるはずだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a6f5bcc31d1214de091c5c6641c2afa132364e02