インターネットバンキングで不正に送られた現金を引き出したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は15日、中国籍で東京都豊島区池袋2、職業不詳、林志偉(りんしえい)容疑者(24)を窃盗や電子計算機使用詐欺などの疑いで逮捕したと発表した。
林容疑者は、詐欺グループで現金を引き出す「出し子」とみられる。同課によると、2020年の引き出し額が約3400万円と全国で最も多いとされ、捜査員の間で「出し子ナンバーワン」と呼ばれていた。

逮捕容疑は、何者かと共謀し、20年6月27日午後2時40分ごろ、西東京市のコンビニエンスストアの現金自動受払機(ATM)で、他人名義のキャッシュカードを使い、愛知県の30代男性のネットバンキング口座から第三者の口座に不正に送られていた現金7万9000円を引き出したとしている。
「他人名義のキャッシュカードを使って金を引き出したことは間違いない。日本の法律に反することは分かっていたが、不正送金については知らない」と供述しているという。

サイバー犯罪対策課は、林容疑者が都内で約220回にわたり、計3400万円を引き出したとみている。ネットバンキングで不正送金された現金のうち、都内では20年に約1億5000万円が違法に引き出されたが、この約2割を占めるという。

林容疑者の知人で、同じ中国人男性の指示で動いていた「出し子」とみられる男性被告(21)も21年11月に窃盗などの疑いで逮捕されていた。この男性被告は計約8400万円を引き出していたとみられ、21年の「出し子ナンバーワン」とされる。

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