「ヒューン」「ルルルルルル」電車の発着音・アナウンスを文字でお知らせ
2022/06/17 19:36

 聴覚障害者に安心して電車を利用してもらおうと、JR上野駅に15日、電車発着時の音や駅員のアナウンスを文字化する装置「エキマトペ」が登場した。特別支援学校の生徒のアイデアをきっかけに、富士通やJR東日本などが同日から始めた実証実験で、12月中旬まで行われる。


 エキマトペは「駅」と擬音語や擬態語「オノマトペ」を組み合わせて名付けられた。同駅1、2番線ホームの自動販売機の上に、漫画の吹き出しをイメージした画面が設置されている。人工知能(AI)が音を識別し、電車の接近時や発車時のベルが鳴ると、「ヒューン」「ルルルルルル」などと表示される。駅員のアナウンスも文字化され、内容に応じ12種類の書体を使い分ける。

 昨年7月、川崎市立聾学校で、富士通などが「未来の通学」をテーマした講座を開催。生徒からの意見を踏まえ、エキマトペの開発が始まった。同社の担当者は「より精度を高めて、なるべく早く実用化したい」と力を込める。

 この日、実際にエキマトペを見た同校高等部3年の生徒(18)は「細かい音まで文字になっていて感動した。ほかの駅にも広がってほしい」と話した。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220616-OYT1T50117/