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障害者施設で虐待、怒鳴りつけ平手打ち 工賃未払いや水増し請求も

東京都府中市の障害者福祉施設で、副理事長だった男性=2020年末で退職=が利用者の男性(25)に平手打ちするなどの暴行を加えていたことが、施設関係者への取材でわかった。市も20年7月に虐待を認定し、都に報告。運営する社会福祉法人に改善計画などを求めているが、現時点で提出されていないという。法人の理事長は「市の指導に従って対応している。改善を進める上で差し障りがあるので、詳細はコメントできない」としている。

 法人は1989年設立で現在、市内で障害者施設2園や放課後デイサービスなどを運営している。男性は2017年12月に入所。男性の父親が20年2月、施設側や市に「暴行があった」と調査を依頼。市は施設職員への聞き取りなどから、当時の副理事長の暴行を認定した。

 施設側は今月8日、男性や父親に対し、男性が退所する19年11月までに、副理事長から腕をひねりあげられたり、「この野郎」と怒鳴られ平手打ちされたりするなどの暴行を何度も受けたとする書面を手渡した。副理事長の暴言や恫喝(どうかつ)は他の利用者に及んだとの記載もあった。父親は「当事者と施設は、責任の所在を明らかにした上で謝罪してほしい。行政も何らかの処分を検討すべきだ」と話す。

 この法人をめぐっては、13日の市議会一般質問で前川浩子市議が様々な問題を指摘。市の答弁から、再三の指導でも改善が不十分な状況が浮かんだ。