大阪・和泉市にある陸上自衛隊・信太山駐屯地。大阪府下で唯一戦闘部隊を持つ、いわば大阪防衛の要。
ここで訓練している59人は、「自衛官候補生」。高卒、元保育士、無職など経歴はバラバラ。そんな彼らだが…
ここで3か月間、自衛隊の基礎を学び、国防の最前線へと派遣されていく。大阪・信太山自衛隊駐屯地に密着した!
6月10日(金)。
(午前8時)自衛官候補生は試練の日を迎えていた。
【教育隊長・高尾2等陸佐】
「ただいまより、新隊員の最後の総決算である『25KM行進』を実施する」
車に揺られることおよそ5分。演習場の入口が見えてきた。広さは東京ドームおよそ60個分、この広い敷地を8時間かけて歩く。
万が一の事態に備え、医療部隊も駆けつけた。この日の天気は晴、気温29度、熱中症が心配だ。
「前進!」
「5メートル、開けるように」
離れて歩く理由は、敵の攻撃で部隊が全滅するのを防ぐため。そう、これは戦場を想定して歩いているのだ!
銃に鉄製のヘルメット、装備品の重さは15キロにも及ぶ。
【候補生】
「しんどいです…しんどいと言ったら(上官に怒られるので)余裕です」
彼らには上官から1つの課題が与えられていた。
【教育隊・内田3等陸曹】
「(この訓練で)気持ちが折れてしまう子がいるので、みんなで助け合うのが目的」
(午前11時)歩き始めて3時間。候補生に異変が起き始めた。
上官は足元がふらつく隊員を止めた。
「ちょっとやばいみたいです。足がつりそう…」
「一旦荷物をおろして…」
脱水症状と判断された彼は、一時的に休息させることになった。
(午前11時40分) 昼食の時間。
食欲はない…筑前煮の汁で米を流し込む…どの隊員も限界が近づいていた。
(午後3時30分)
今にも、倒れそうな隊員がいた。
しかし、足を止めようとしない。その後ろには支える仲間の姿が…
全員で歩き切る!その気持ちが隊を1つにしていく。
「皆、頑張って!最後まで!」
雄たけびと涙も出た、過酷な行進。全員無事に歩くことが出来た。
(午後8時)訓練後の風呂は何よりの楽しみ。
【自衛隊候補生】
「完歩出来てよかったです」
「十数回、心が折れかけた、25キロも歩いていると…」
過酷な訓練後の裸の付き合いは、彼らの絆も温める。少しずつだが、国を守る男に成長していく。
3か月、寝食を共にしてきた彼ら自衛官候補生。訓練生活は6月末で終わり全国の陸上自衛隊に派遣されていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=rFGzIeZ6Wgc
https://news.yahoo.co.jp/articles/e227c603f2d5a73067f1d1645a39b14c0ae3e3e9