名古屋出入国在留管理局(名古屋入管)でスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が収容中に死亡した問題で、名古屋地検は17日、殺人容疑で告訴されていた当時の名古屋入管職員13人を「嫌疑なし」として不起訴にした。

 ウィシュマさんの遺族は17日、名古屋地検を訪れ、不起訴の通知を受けた。代理人の指宿昭一弁護士によると、地検は特定できなかった死因について、栄養失調を意味する「低栄養と脱水症による身体合併症」の可能性を挙げた。
その上で入管職員の対応を検討した結果、「医師の診察を受けさせたり、経口補水液を飲ませたりしている。
バイタルチェックで問題ないと判断して救急搬送しなかったのも不合理ではなく、刑事責任はない」と説明した。

 指宿弁護士は「監視カメラ映像を見れば素人でも死にそうだとわかるのに、こんな判断はおかしい」と嫌疑なしとした地検の判断を批判。不起訴を不服として、検察審査会に申し立てる意向を示した。
 妹のワヨミさん(29)は「1年以上たっても死因が分からない。怒りと悲しい気持ちを感じる」と肩を落とし、ポールニマさん(28)は「こんな結論は、私たちが貧しい国出身だからか」と憤りをあらわにした。
(角雄記、豊田直也)

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