年収600万円の大手社員を辞め、あえてフリーターになった40代。10か月たって後悔は



自分の人生、これでよかったのだろうか――。
職場や家庭など環境の変化、心身の揺らぎを引き金に中年の8割が陥るとされる心理的危機“ミッドライフ・クライシス”。人生の折り返し地点ともいわれる40歳は今やもう「不惑」ではなく「惑」と言っていい。しかし、そこを辛くも乗り越えた人たちがいる。今回は大手メーカーの正社員の座を捨て、敢えてフリーターの道を進んだ男性に話を聞いてきた。

責任の重さと年下社員のハラスメントで心が限界


40代ともなれば、上司と部下の板挟みや、仕事の重圧などで心身が荒んでいく人は多い。そんな“中年の危機”を脱し、人生を謳歌しているのが、小澤拓也さん(仮名・45歳)。以前は愛知県にある大手メーカーの正社員として16年間勤務していた。

「40歳すぎから工場の責任者のような立場になり、ヒラ社員なのに責任だけが重くなっていました。ミスが起きると年下の先輩社員に机を蹴られたり、みんなの前で『お前、次のリストラ候補だから』と怒鳴られたり。精神的に追い詰められていきました」


いまだ独身で、人付き合いが苦手な彼が頼るのは三重県に住む母親だけだった。母には「我慢しなさい」と諭されたが、44歳で退職。年収600万円の正社員の座を捨てた。 「人生を折り返して、もう健康に過ごせる時間は長くないかもしれない。だったら無理に会社にしがみつくよりも、最低限の生活費を稼いで、あとは自由な生活がしたかった」

週4日の監視員のバイトで生計を立てるフリーターに


愛知県から静岡県浜松市に引っ越し、週4日で監視員のバイトをしながら生計を立てるフリーターに転身した。 「フリーターの稼ぎだけで生活できる都市を探しました。中年になって勢いで辞めたら路頭に迷うので、次の居場所の準備は入念に進めましたね」


休みの日は趣味のバイクに熱中


現在は月収13万円。だが不自由ない生活だという。休みになれば趣味のバイクに跨がり全国各地を走り回っている。 「最初は『本当に正しい選択だったのかな』という葛藤がありましたが、10か月たった今は一切後悔はありません。
バイト先は嫌なヤツもいるけど毎日現場が替わるし、割り切って仕事するだけ。僕はフリーターという道を選択してようやく会社員以外にも生きる道があるんだと知りました」

 身軽な独身であるならば、苦しい現状から逃げることも危機を脱する有効な手段だ。

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