「ハリウッドで日本人は差別され…」天然パーマを矯正された俳優、松崎悠希さんの怒り

日米で活躍するある日本人俳優がこの春、ハリウッド映画界で「日本人が差別されている」とTwitterで訴え、注目を集めた。リスクを負ってまで彼が「身内」批判に踏み切った理由とは――。本人がオンラインインタビューに応じた。(聞き手・小川尭洋)

俳優は松崎悠希さん(40)。1999年に渡米し、「硫黄島からの手紙」「ピンクパンサー2」など、多くのハリウッド作品に出演している。近年はキャスティングも手伝っている。

ハリウッドで活動する中で、撮影現場や作品描写で繰り返される日本人への差別や偏見を目の当たりにしてきたという。やり取りは次のとおり。

――ハリウッドで活躍している松崎さんは、これまで何度も差別に遭ってきたそうですね。

2011年、アメリカドラマ「メル&ジョー
好きなのはあなたでしょ?」(2010~2015年)に出演した時のことです。僕が衣装合わせやメイクをしていた時、アメリカ人のプロデューサーがやって来て、僕のパーマを指差して「この髪、本物なの?」と聞いてきたんです。

僕が「本物です」と言ったら、「でも日本人は全員ストレートヘアでしょ?」と言うから、「いや、そうとは限りません。僕みたいに天然パーマの日本人もいるんです」と答えました。

(中略)

――欧米では、差別的な言動をしたら、例外なく「一発アウト」になるイメージがあります。黒人俳優の方々に「髪の毛をストレートヘアにしろ」と言ったら、それこそ大問題になるかと思うのですが、日本人の場合はなぜ「大ごと」にならないのでしょうか。

そう、もうすでに小川さんが答えを言ったんですよ。日本人を差別しても、「大ごと」にならないからなんですよ。黒人俳優の方々に同じことをやったら、「大ごと」になる。でもこれが日本人だと、うんともすんとも言わない。これまで日本人が誰も文句を言ってこなかったから、なんです。

何年も前に、とある有名プロデューサーたちと会食をしました。彼が「これから中国市場がどんどん伸びる中で、中国に配慮した映画作りをしなければいけない。怒らせないように気をつけなきゃいけない」と話していたんです。

彼は、過去に日本人を差別的に描写したことがあり、僕はそこで突っ込んだんですよ。「でもあの映画で、日本人を変なふうに描いていませんでしたっけ?」と。
そしたら、彼は「でも、日本人は変な描き方をされても怒らないし、ボイコット運動もしない。興行収入に影響しないから配慮する意義をあまり感じない」と言っていたんですよ。これが日本人の描写が差別的でも、ずっと変わらない原因です。

日本では、耐え忍ぶことが美徳という考えを持つ人がいますが、それは日本以外では通用しないということです。

(全文はソースで)
https://globe.asahi.com/article/14641613
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