もう1隻のナッチャンWorldに自衛隊が目をつけた。日本南西の多数の離島を守る島嶼防衛で、長距離を高速輸送できる輸送船が必要だったからだ。南西諸島へ主に陸上自衛隊の車両や装備、人員を運ぶ輸送船として使いたい。具体的には北海道の戦車などを南西諸島へ短時間で運びたいのである。

もちろん海上自衛隊にも輸送艦はある。「おおすみ」型輸送艦だ。同じく全通甲板構造と艦内格納庫を持つ「ひゅうが/いせ」型護衛艦や、「いずも/かが」型護衛艦も車両輸送能力はある。しかし「ひゅうが/いずも」は航空機運用分野や対潜水艦活動、指揮艦としての立ち位置が重視される。そして「おおすみ」はアシ(速力)が遅い。つまり海上輸送力として充分ではない現状を、民間船であるナッチャンで補おうとする目論見があったわけだ。話がまとまるなら、高速輸送艦を建造するより早く新規輸送力を整備できる。

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