温泉施設で少年に性的暴行を加えたとして、熊本東署は昨年12月、強制性交などの疑いで外国籍の男(47)を逮捕した。

誰もが利用する公衆浴場で起きたとされる事件。
ほかの温泉施設でも窃盗や盗撮の被害が相次いでいる。

取材を進めると、温泉施設特有の死角の多さに加え、見知らぬ者同士でわいせつ行為を示し合わせるインターネット掲示板の存在も浮かび上がった。

眉をひそめる状況がある。「昼から行きます」「かわいい子いるかな」。

ネット掲示板には、県内の温泉施設ごとに「スレッド」と呼ばれる投稿欄が設けられ、わいせつ行為をにおわせて情報交換する書き込みが続く。

県北の男性経営者は「純粋に温泉を楽しみたいと思っている人にとって迷惑な話だ」と憤る。
密室となるサウナでのわいせつ行為が多いと聞き、自分の施設にはサウナは設けないことにした。

熊本市の施設では、サウナの出入り口に「不審な行為」をしないよう注意書きを掲示している。

各施設とも対策に神経をとがらせているが、被害は後を絶たない。
特に性犯罪に遭ったらどうすればいいのか。県警幹部は「事件発生から時間がたつほど、客観的な証拠が消滅し、犯行の裏付けが難しくなる。
記憶が鮮明なうちに、警察や性暴力被害のサポートセンターに相談してほしい」と呼びかける。