食料品やガソリンなど消費者への販売価格に転嫁する動きが出ており、日銀は企業間でも「少しずつ様子を見ながら、これまでのコスト上昇分を転嫁する動きが広がっている」と分析した。

 だが、帝国データバンクが1月後半に実施した価格転嫁の実態調査(1万1981社回答)では、約8割の企業が自社の商品やサービスに原材料価格高騰などの影響があると回答し、さらに36.3%は「価格転嫁が全くできていない」と答えた。

 調査では「価格転嫁は下請けの立場からは不可能」(機械工具卸売り)のほか、「転嫁できるのは仕入れ値だけで、人件費や運送コストなど自社の経費を上乗せできる環境にない」(鉄鋼卸売り)など下請け企業を中心に苦境を訴える声が相次いだ。