離婚後の共同親権を提案へ 法務省、法制審部会に 8月にも試案
https://mainichi.jp/articles/20220619/k00/00m/040/184000c
法務省は、家族法制の見直しを議論している法制審議会(法相の諮問機関)の部会に、離婚した父母双方を親権者にできる「離婚後の共同親権」の導入を提案する方針を固めた。現行民法は離婚後の単独親権を定めており、部会は民法改正の中間試案を8月をめどに取りまとめる。その上で意見を公募するパブリックコメントを実施し、詰めの議論に入る。

 民法は、婚姻中の父母の共同親権を定める一方、離婚後はいずれかが親権者となる単独親権を採用する。日本では近年、年間20万組前後、おおよそ3組に1組が離婚しており、離婚後の養育費の不払いや親子交流の断絶が社会問題化している

 一方で、女性の社会進出や男性の育児参加が進み、「離婚して子との関わりを絶ち、親の役割を放棄するのは無責任だ」との声があり、離婚後の親権の奪い合いや他方の親の同意を得ずに子と家を出る「子の連れ去り」も頻発している。国際的には、離婚後の共同親権が主流となっている。

 関係者によると、同省が提案する内容は、父母双方が子に関わり続けることが「子の最善の利益にかなう」ケースを念頭に、父母が話し合いや裁判所の判断で共同親権を選択できるようにするもの。具体的には、子の進路や病気の治療方針について父母双方が共同親権に基づき、子のために熟慮して決定するような仕組みが想定される。このような共同親権を原則とする案と、単独親権を原則とする案が示される模様だ。