思い出がつまった写真に感謝を込めてお別れをしませんか−。県内の写真館などで構成する神奈川県写真師会は十三日、「写真供養」をしたい写真の受け付けを約五十の加盟店で開始した。傘下の川崎写真師会が昨年まで単独で二回行い、人生の最期を迎えるための「終活」の一環としても好評を得たことから、初めて全県に広げて取り組むことになった。申し込みは十八日まで。(阿部博行)
 川崎写真師会会長で「写真のたなかや本店」の鈴木克明さんによると、写真供養は古い家族写真や入学式、結婚式といった記念写真など大切にしてきた写真を処分できずに困っている人のため企画した。一昨年は八千枚、昨年は二千六百五十枚が持ち込まれた。
 終活をする高齢者が身辺整理のために利用するケースもあり、鈴木さんは一人暮らしの高齢の男性から箱に入った五百枚の供養を依頼され、「これでホッとします」と感謝されたこともあるという。
 県写真師会会長の中野聖士さんは、鈴木さんから川崎以外でも実施してみてはどうかと勧められ、「とても価値ある良い企画なので県内全域の加盟店で取り組むことにした」と話す。加盟店が受け付けた写真は六月三十日、高津区久地の養周院に運ばれ、おたきあげ供養で燃やされる。その様子は後日、依頼者に封書で報告される。
 写真受け付けはA4サイズまでの大きさで五十枚までは無料。追加は五十枚ごとに千円かかる。アルバムごとの供養は一冊あたり千円。ネガやデータの持ち込みは不可。

川崎発「写真供養」全県に 思い出のアルバムに感謝込めお別れ 県写真師会で18日まで受け付け
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