兵庫県尼崎市は23日、全市民約46万人の名前や生年月日といった住民基本台帳の情報などを記録したUSBメモリー1個を紛失したと発表した。

閲覧にはパスワードが必要で内容は暗号化処理されており、23日午前11時時点で悪用や外部への漏えいは確認されていないという。

市によると、新型コロナウイルス禍で困窮するひとり親世帯や低所得世帯などに対する新型コロナウイルス臨時特別給付金の事務作業を、大阪市内の業者に委託。

21日、この業者に協力する別の会社の40代社員が大阪府吹田市内でデータ移管作業をするため必要な情報をUSBメモリーに記録し、持ち出した。

この社員が作業を終えて午後10時半まで同市内の居酒屋で食事や飲酒をし、帰宅しようとした際、USBメモリーを入れたかばんを紛失したことに気付いたという。
社員は22日に同府警へ遺失物届を出した。

USBメモリーには、尼崎市の全市民の住民基本台帳情報に加え、住民税情報約36万件▽非課税世帯や生活保護受給世帯など約8万2千件の給付対象世帯情報
▽生活保護および児童手当受給世帯の口座情報約8万3千件-が含まれていた。

市はデータの持ち出しには許可を得るよう求めていたが、この社員は許可を得ていなかったという。