>>27
判決文これか
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/265/091265_hanrei.pdf

草野耕一裁判官の補足意見
>第三に、実名報道がなされることにより犯罪者やその家族が受けるであろう精神的ないしは経済的苦しみを想像することに快楽を見出す人の存在を指摘せねばならない。
>人間には他人の不幸に嗜虐的快楽を覚える心性があることは不幸な事実であり(わが国には、古来「隣りの不幸は蜜の味」と嘯くことを許容するサブカルチャーが存在していると説く社会科学者もいる。)、
>実名報道がインターネット上で拡散しやすいとすれば、その背景にはこのような人間の心性が少なからぬ役割を果たしているように思われる(この心性ないしはそれがもたらす快楽のことを社会科学の用語を使って、
>以下、「負の外的選好」といい、負の外的選好をもたらす実名報道の機能を、以下、「実名報道の外的選好機能」という。)。しかしながら、負の外的選好が、豊かで公正で寛容な社会の形成を妨げるものであることは明白であり、
>そうである以上、実名報道がもたらす負の外的選好をもってプライバシー侵害の可否をはかるうえでの比較衡量の対象となる社会的利益と考えることはできない(なお、実名報道の外的選好機能は国民の応報感情を充足させる限度において
>一定の社会的意義を有しているといえなくもないが、この点については、実名報道の制裁機能の項において既に斟酌されている。)。