戦況関係のウクライナの地名

・西ウクライナと東ウクライナ
ウクライナの領土は、歴史的にキエフルーシ(ロシア・ウクライナ・ベラルーシの地域を版図にしていたスラブ人の王国)の版図であった地域である西側と、キエフルーシの版図ではなく近世にロシア領になり、その後ウクライナ領に継承された東側・南側に大別される。この二つの地域は歴史、産業、人口分布、ロシア人人口、対ロシア感情の点で大きな差があり、ロシアのウクライナ侵攻の原因の一つになっている。

・キエフ(ロ Киев, Kiev/ウ Київ, Kyiv)
ウクライナの首都。ウクライナの中央部の北寄り、ロシア、ベラルーシ、ウクライナを通るドニエプル川のウクライナ領内の上流部にある。ウクライナの中では現在かなり平穏になっており、ヨーロッパ諸国、米国を中心に各国の政府関係者が訪れている。

・ドンバス(ロ Донбасс, Donbas(s) /ウ Донбас, Donbas(s))
ウクライナ東端部。「ドネツ盆地」の意。ドネツク州+ルガンスク州。2014年以後ウクライナ政府と反政府勢力の間で内戦状態にあった。

・ドネツク州(ロ Донецк, Donetsk /ウ Донецьк, Donetsk)
ウクライナ東端部の南側の州。6月23日時点では南部をロシアが占領し、北部が前線になっており、ロシア軍が前線をおしあげつつある。州庁都市ドネツクはロシア占領地。ウクライナ・ロシア両軍の前線での戦闘とは別に、ドネツク州のロシア占領地内の非軍事的対象にウクライナ軍が砲撃を行っているという報道がある。

・ルガンスク州(ロ Луганск, Lugansk /ウ Луганськ, Luhansk)
ウクライナ東端部の北側の州。6月23時点では州庁都市ルガンスクはロシア占領地。6月22日時点ではほとんどがロシアの占領地になっており、ウクライナ側に残るセベロドネツク、リシチャンスクとその周辺のわずかな地域をロシア軍が奪取しようとしているものの、ウクライナ軍が抵抗を続けている。6月は全体的には膠着状態であるが非常にわずかずつロシア軍が勢力を広げており、6月20日の攻勢の強化により若干前進した。

・リヴォフ(ロ Львов,Lvov/ ウ Львів, Lviv/ポ Lwów)
ウクライナ西端部のリヴォフ州の州庁都市。西ウクライナの中心都市で、ウクライナ民族主義者の牙城として知られる。前線から離れていてウクライナ内では比較的安全な場所であるため各国の報道関係者が滞在している。

・ジェシュフ(ポ Rzeszów/ロ Жешув/ウ Ряшів)
ポーランド東南端の都市。ウクライナ西部に軍事物資などを運びこむ中継地になっており、米軍も駐留している。