・バフムト(ロ Бахмут, Bakhmut /ウ Бахмут, Bakhmut)

ドネツク州北部の地方都市。6月22日時点ではウクライナ支配地に属する。セベロドネツク、リシチャンスクにつながる道路が東北へ出ているため、5月末から始まったセベロドネツク包囲戦に大きく関わっており、戦闘が行われている。西北にはスラビャンスクとクラマトルスク、南にはゴルロフカがある。6月23日時点ではバフムトの東北をロシア軍が制圧しようとしているが実現していない。

・クラマトルスク(ロ Краматорск, Kramatorsk/ ウ Краматорськ, Kramatorsk)、スラビャンスク(ロ Славянск,Slavyansk/ウ Слов'янськ,Sloviansk )
ドネツク州北部にある隣接する二つの地方都市。6月23日時点ではウクライナ支配地だが前線化しておりロシア軍が砲撃を行っている。東にセベロドネツクとリシチャンスク、北にイジュームがある。セベロドネツクとリシチャンスクがロシア占領地になった場合、ドネツク州北部が次の争点となる可能性が高いとも言われており、その場合クラマトルスク、スラビャンスクがその中心を占めることになる。

・モルドバ(ル Moldova/ロ Молдавия,Молдова /ウ Молдавия,Молдова)
ウクライナの西南隣の、ルーマニアとウクライナに挟まれている場所にある小国。旧ソ連領で、ソ連解体の際に独立した国の一つ。住民の多数派はルーマニア人だが少数派としてロシア人が住んでおり、またロシアの南側占領地であるヘルソンから見てそれなりに近く、ロシアのウクライナ侵攻に関係していると見られる施設破壊事件が起きており、ウクライナ産穀物の迂回輸出ルートにも関わっており、軽度ながら実質的に侵攻に巻きこまれている状態にある。ウクライナからの避難民の避難ルートにもなっている。

・沿ドニエストル共和国(トランスニストリア)(ル Transnistria/ロ Приднестровье/ウ Придністров'я )
旧ソ連崩壊に伴うモルドバ独立の際、同国東部に多く住んでいたロシア系住民がその枠組みに組み込まれることを拒否。紛争の末に「独立」した未承認(ロシアを含め)の「国家」。国際的にはモルドバ領扱い。ドニエストル川流域の極めて細長い領域を「国土」とする。
ロシアが進めるウクライナ南部の占領は、最終的に「同国」への到達を目指しているとする見方もある。報道でロシアの「モルドバ侵攻」が取り沙汰されるとき、内実として「同国」への到達と、この「国」をロシアが併合する可能性についての議論であることも多い。この場合「モルドバ本体」を攻める話ではないので要注意。