それでは、立候補者の見た目はどれくらい投票結果に影響するのか。因果関係の解明に向けて科学的にアプローチしているのが、拓殖大の浅野正彦教授(実証政治学)だ。

早稲田大の尾野嘉邦教授とともに、平成25年と28年の参院選の立候補者約500人の顔写真をアメリカ人に見せ、「見た目」(魅力度)や、「有能そう」「信頼できそう」といった「印象」を1~5点で評価してもらった。アメリカ人を評価者としたのは、先入観を排除するためという。

さらに顔認証機器による「笑顔度」の測定や当選回数なども加味して選挙結果を分析したところ、顔の魅力度が1ポイント上昇するごとに得票率が約5ポイント増える-という結論が出た。一方で印象や笑顔度については、得票率との相関はみられなかったという。

政治能力とは関係がないとみられる顔の見た目がなぜ投票行動を左右するのか。約3千人の日本人を対象にさらに実験を重ねたところ、顔が魅力的と感じる立候補者に対しては、より詳しく知りたいと情報収集をしたり、選挙に強いと見込んで勝ち馬に乗ろうとしたりする心理が働いていたという。

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