――小林さんは過去には「護憲的改憲論者」と呼ばれ、
9条の平和主義は維持しつつも、「日本が攻撃された場合は、
自衛のために個別的自衛権を行使する」と明記する改憲が必要だ、という立場でした。

 かつてはそうでしたが、今は改憲を求めていません。
自民党の改憲論議に長年つきあい、政治の現実を見てしまったからです。

憲法は、主権者である国民が、国家権力をうまく運営するためのマニュアルです。
政治家は、このマニュアルに従って権力を行使しなければいけませんが、
実際には憲法で縛られることに不自由さを感じ、「やりたいことをやらせろ」と
憲法を脱ぎ捨てようとしている。国家権力の私物化です。
こうした政治の危険な現状を知り、改正論議には付き合わず、
今の憲法を使いこなしていこうという立場に変わりました。
https://www.asahi.com/articles/ASQ527KG1Q4XPTIL00F.html